だけどお母さんは2番目に掛けた方が娘だって自信を持って答えてましたよ。つまりどちらかは娘だという確証バイアスがかかっていたために、一人目が違うということに気づいた瞬間に、これで、もう娘は二人目なのだからということで、一人目は間違え探しの要領で、二人目は確認の要領で電話を聞くんです。自分の都合のいいように。
何かの実験ってわかってさえこんな感じですから、こういったことが日常生活で何気なくポンっと起こったら、まあ、先生みたいになるのは至極当然かもしれませんね」
「ははは、そうなのか、いやぁ山本君に慰められるとはなぁ」
「え、いや、慰めるとか、そんなんじゃ・・・」
「いや~でも、なかなかおもしろいよ」
確証バイアスか・・・山中は胸のうちで静かにつぶやいた。
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